「考える力 やり抜く力 私の方法」読了。実は中村さんのことはあまり知らなかったわけで、一番印象的だったのは日亜化学との発明対価に関する裁判。あれについては、どの程度が適切かとか、どっちが好ましいかというのは正直わかりませんでした。会社が発明に対して1万円の手当ってのは酷い気がするけど、ン十億ン百億が妥当かというと、サラリーマンとしてダウンサイドリスクがヘッジされているから、あんまり大きなことも言えないような気がします。それはさておき、どんなことを話してくれるのかな?という好奇心で読んでみました。
・会議を通せば通すほどアイデアが骨抜きになる。
・大胆な行動を実現するには所属階層を通すのではなくトップに直談判するしかない。
・期待と現実は違う。留学して学ぶべき知識はなかった。ただ、既に自分がそれなりのレベルに達していることを確認できたことが成果だった。
・中小企業は大手と同じ方向性で開発しても商品として売れない。違う方向でいかなければ。
・研究のトレンドは絶対ではない。この方法が良さそうだといわれていても、最後の最後に超えられないハードルが出てきたりする。可能性がゼロではない方法ならどれにもチャンスがある。
・研究にどんなに熱中していたとしても、ただ無茶に長時間やったところで結果はでない。夜は毎日家族と食事をした。
・既存のやり方の通りにやっても意味はない。
・コンセンサスを重視する組織は非能率だし、創造的・革新的な仕事は難しい。
・昔、「あいつは窒化ガリウムの研究をしているなんて馬鹿だ」と言った有名大学教授が、今は窒化ガリウムの研究をしている。
こんな感じの赤線チェックしましたが、集約すると、常識にとらわれず、ハマること。そういうメッセージだと解釈しました。今の私には結構刺激があったようで、さて私の仕事は創造的にやれているか、新しい何かを生み出しているか、考えさせられます。
ハマるという指向性については、私は全面的に賛成。よく、社員の育成をゼネラリスト的にやるかスペシャリスト的にするか、議論が分かれますが、私はスペシャリスト的の方が良いと思っています。それに対するゼネラリスト派の反論は「スペシャリスト育成だと視野が狭くなる」といいますが、スペシャリストを養成しつつ、それに視野の広さを与えるようなトレーニングをすればいいことだと感じます。例えば、ある分野の専門家がある時にMBA取って知識や多様な人との交流で視野の広さも兼ね備えるようになることもあるでしょうし。
posted by LHNMeaning at 00:36|
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